健康診断や病院での血液検査で、WBC(白血球数)やCRP(C反応性タンパク質)という項目を耳にしたことがある方も多いでしょう。これらの指標は、体内で何が起きているかを知るための重要な手がかりとなります。この記事では、WBCとCRPが何を意味するのか、そしてその半減期についても詳しく説明します。
WBC(白血球数)とは?
1. WBCの役割
WBCは、免疫系の要である白血球の数を表しています。白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退する役割を果たします。つまり、WBCの値は、体がどの程度の感染や炎症と戦っているかを示す指標となります。
2. WBCの正常値と異常値
- 正常範囲: WBCの正常範囲は一般的に 4,000 ~ 10,000/μL(マイクロリットル)です。
- 増加する場合(白血球増加症): 感染症や炎症、ストレス反応、さらには白血病などで白血球が増加します。
- 減少する場合(白血球減少症): ウイルス感染や骨髄の異常、特定の薬の副作用で白血球が減少することがあります。
3. WBCの半減期
WBCの半減期は、白血球の種類によって異なりますが、一般的に数時間から数日の間とされています。例えば、好中球(白血球の一種)の半減期は6〜8時間程度です。体が感染と戦う必要がある場合、骨髄が新しい白血球を急速に生成して補充します。
CRP(C反応性タンパク質)とは?
1. CRPの役割
CRPは、体内で炎症や組織損傷があるときに、肝臓から分泌されるタンパク質です。炎症が起きると、CRPの値が急上昇し、その変動を追うことで炎症の活動度や治療効果を評価できます。
2. CRPの正常値と異常値
- 正常範囲: 通常、CRPの正常値は 0.3 mg/dL 以下です。
- 上昇する場合: 感染症、急性心筋梗塞、炎症性疾患、外傷、そしてがんの一部でCRPが上昇します。
3. CRPの半減期
CRPの半減期は約19時間です。これは、CRPが体内で急激に上昇した後も比較的早く減少するため、炎症が落ち着くと短期間でCRP値が下がることを意味します。そのため、CRPの測定は、現在進行している炎症の状態をリアルタイムに把握するのに適しています。
WBCとCRPの違いと使い分け
- WBCは、主に感染症や炎症の初期段階での体の免疫反応を示します。値が高い場合、体が現在進行中の感染や炎症に対応している可能性が高いです。
- CRPは、炎症の活動度を示す指標で、急性炎症の評価に優れています。特に、治療の効果や病状の経過をモニタリングする際に重要です。
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