高ナトリウム血症は、血液中のナトリウム濃度が異常に高くなる状態です。この記事では、その原因と症状について分かりやすく解説します。
高ナトリウム血症とは?
ナトリウムは体内で水分バランスを保つ重要な役割を果たしています。通常、血中のナトリウム濃度は135~145mEq/L(ミリ当量パーリットル)の範囲内で安定していますが、高ナトリウム血症では145mEq/Lを超えることがあります。この状態は体にさまざまな悪影響を及ぼすため、注意が必要です。
原因
高ナトリウム血症の原因は大きく分けて「水分不足」と「ナトリウム過剰摂取」の二つです。
1. 水分不足
- 脱水:暑い日や運動後に水分補給が不十分だと、体内の水分が減少し、ナトリウム濃度が上昇します。
- 大量の発汗、下痢、嘔吐:これらの状態は体から水分が急激に失われるため、ナトリウム濃度が高くなる原因となります。
2. ナトリウム過剰摂取
- 塩分の多い食事:塩分(ナトリウム)が多い食事を続けると、血中ナトリウム濃度が高くなります。
- 輸液療法:病院での点滴などでナトリウムを多く含む液体を大量に摂取すると、ナトリウム濃度が上昇することがあります。
症状
高ナトリウム血症が進行すると、次のような症状が現れることがあります。
1. 軽度の症状
- のどの渇き:ナトリウム濃度が高まると、体は自然に水分を欲します。
- 疲労感や頭痛:軽い脱水症状としてこれらが現れることがあります。
2. 中等度の症状
- 筋肉の痙攣やこむら返り:ナトリウムのバランスが崩れることで筋肉が反応しやすくなります。
- 混乱やイライラ:脳にも影響が出て、精神的な不安定さが現れることがあります。
3. 重度の症状
- 意識障害や痙攣:ナトリウム濃度が著しく高くなると、脳に深刻な影響が出て、意識障害や痙攣が起こることがあります。
- 昏睡や死:最悪の場合、命に関わることもあるため、早急な対応が必要です。
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